tiisanakonomi2007-01-27

彼女は幼い子供の多くがそうなように
ごっこ遊び」が好きだった。

お母さんごっことか
ヒーローごっことか

誰にでも覚えのある遊び

彼女は
「自分は誰にでもなれる」
そんな確信を持っていた

遊びの中では
自分が設定した人間になりきることが出来たし
クラスの中でのお楽しみ会で演じた役柄も
友達から
「本当みたい!!」と、絶賛を浴びていた。

どんな人がどんなことを考えどんな事をするのか
その時の表情や
台詞なども
考えることすらなくスラスラと出て来ました。

「私は誰にでもなれる」
胸をはって言えると思いました。

しかし。。。
「私は誰にもなれない
まず、どうすれば自分になれるのか!?」
同時に この疑問も渦巻くのです。

「自分」と言う設定はどういうものにしてきたのだろう

この場面ではなにを感じるの!?
そして
何を思うの!?
どう言って どの行動を選ぶの!??

物語や
自分で作ったストーリーの人物にはなりきれるのに

肝心の自分が演じられない…

そんな不安は
彼女の心の中で沈んでいくのです。。。。
深く深く光など届かないほど深くに…